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スリーラインズモデルを活用したエージェントガバナンス™の始め方(全6回) 

スリーラインズモデルを活用したエージェントガバナンス™の始め方(全6回) 

公開日時:

2026/8/30 06:06

スリーラインズモデルを活用したエージェントガバナンス™の始め方(全6回) 

代理店の代理店による代理店のためのガバナンス を目指しませんか? 

第1回:厳しさを増す環境と保険代理店に求められる「八方よし」のガバナンス 

はじめに:揺らぐ保険業界への信頼 

保険業界および保険代理店を取り巻く環境は、かつてないほど厳しい状況にあります。
日々の業務において、いくら私たち代理店が「お客様のために」とベストを尽くしているとしても、社会全体からの評価は、必ずしも我々の期待するような水準には達していないという現実を直視しなければなりません。 

近年、ビッグモーター事件、企業保険におけるカルテルなどの不正競争、社員や代理店による顧客情報の漏洩、金融庁(FSA)からはこれらに対して三つの業務改善命令が出されており、信頼回復に向けて業界あげて取り組んできています。 

しかしながら、今年は生保での不法行為とそれに続く生保会社や生保協会の情報漏洩など、業界の根幹を揺るがす不祥事がさらに立て続けに発生、やまない不祥事の続発にお客様、監督官庁、マスコミ、そしてソーシャルメディアからは「コンプライアンス概念が欠如している業界」という非常に厳しい評価が下されています。 

変化する業界のルールと代理店に求められる対応 

こうした危機的状況の中、監督官庁である金融庁は有識者会議を設置し、法制改正を含めた抜本的な対応に向けて動き出しました。

損害保険業界でも、この強い危機感のもと、日本損害保険協会・保険会社・代理店が一丸となって信頼回復に向けた取組みを始めています。 

2026年度の動向を見据えると、まずは日本損害保険協会が示した「代理店業務品質評価」への本格対応が始まります。

これは「顧客本位の業務運営の推進」が主眼です。
これまで真摯に行ってきた実績を正しく示せばよいという側面もあり、過度に恐れる必要はありません。

しかし一方で、比較推奨販売ルールの変更や、意向把握・確認の記録管理など、保険法改正への対応も本格化するため、入念な準備が必要となってきます。
これらに耐えうる強固な「体制整備」が不可欠な要素となるのです。 

またその体制整備が十分かという自己チェックの仕組みも本格化してきます。この9月に報告期限のある保険会社が多いため代理店として対応されているところと思います。 

体制整備が一定進められている代理店も同じ対応が求められ、顧客への提案といった攻めの経営をする前に自社の体制整備についての回答を終わらせなければならない状況となってきています。 

 

「三方よし」から「八方よし」のガバナンスへ 

かつての保険代理店経営は、「お客様・保険会社・代理店」の三者が満足する「三方よし」のガバナンス(経営管理)で十分に機能していました。しかし、現代の複雑化した社会においては、それだけでは経営リスクをカバーしきれない状況となりました。 

現在求められているのは、多様なステークホルダーを見据えた「八方よし」のガバナンスへの転換です。具体的には以下の要素が含まれます。 

 

1. お客様への対応(最重要プライオリティ):すべてのアクションの起点であり終点です。 

2. 保険会社への対応:代理店手数料体系の変化やポイント制度への適応が求められます。収入に直結するため対応は不可欠となります。 

3. 協会および金融庁(FSA)への対応:法令遵守体制の構築と証明が必要です。今年度は特に乗合代理店にとっては販売制度自体の抜本的な見直しを求められる年となります。 

4. 従業員の幸福と質の高い人材の継続的確保:保険会社からの要請に応えるためには従前の業務では足りず、一方雇用の確保は極めて厳しい状況にあるため、従業員の働きがいのある環境づくりが不可欠です。 

5.地域 社会への対応:SDGsへの貢献や、SNS等のレピュテーションリスクへの対応。 

6. 取引先・他代理店との協業や合併:規模の拡大や株主への責任ある対応。 

7. 高度なIT・生成AIへの対応:業務効率化とデジタルトランスフォーメーション。 

8. サイバーセキュリティ対策:顧客情報を守るための強固な防壁の構築。 

 

我々の進むべき道は、以前と比べてずいぶんと複雑になってしまったと感じるかもしれません。

しかし、この「八方よし」を統合的に管理し、合理的かつ効果的にステークホルダーからの信頼を取り戻すための仕組みこそが、本連載のテーマである「エージェントガバナンス™」です。 

次回は、この「エージェントガバナンス™」の具体的な概念と、なぜ今、代理店自らがガバナンスを構築しなければならないのかについてお話します。 

取締役CAGO/内部監査・ガバナンス・リスク管理エキスパート
 池田 敦

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